【公式】リゲッタ(Re:getA)オフィシャルウェブサイト | シューズミニッシュ

リゲッタちゃんねる

ミニッシュ広報部

ミニッシュ広報部

リゲッタ生野本店ができるまで ~ 高本やすお の 想い 編 ~ vol.1

  • はてなブックマーク

※上写真は2019年9月20日に撮影した
 〔リゲッタ生野本店〕予定地外観





↑高本


2020年春にオープンが予定されている、
直営店としては4店舗目の
〔リゲッタ生野本店〕。
本社がある大阪市生野区に
初めて直営店が立つこととなる。
そして、リゲッタのブランドとしては
初出店。
どのような経緯で今、
店舗展開に至ったのか、
リゲッタシリーズの生みの親である
代表(靴職人) 高本やすお に
インタビューを行った。


◇今回インタビューを行う人は・・・


↑左からEC事業部 山崎 、
広報部 中河、
RinCチーム 大原



中河 
はじめに、今まで直営店の
" リゲッタカヌー店 "はあったんですが
" リゲッタ店 "は初めてですよね。
なぜ今、" リゲッタ店 "っていう風に名付けたんでしょうか。






 高本
3年位前、元々うちの商品並べてくれてるとこで雑貨屋さんが「" リゲッタ "の屋号でやっていいですか」って言ってきはってん。
お店やる時に絶対にブランドアイデンティティーとかちゃんと決めとかへんとあかんねんやん。
で、" リゲッタカヌー "は木目や
芝生使ったりナチュラルな感じで進めてんけど、" リゲッタ "ってやってなかってん。
" リゲッタ "は都会的でイメージはアスファルトとか、元々飼ってた犬のミニチュアシュナウザーがグレーやったからそんなんも含めて思っててんけど、『リゲッタとはこういう世界観だ』みたいなのをあんまカチッと型にはめてなかったから断ってん。
ただ、その時『あ、そうか。
" リゲッタ "の名前で店を出したいって言ってくれんねんな』って思ったのと同時に
『" リゲッタカヌー "より" リゲッタ "のほうが知名度高いんや』って思った。
でもなんか" リゲッタ "っていうこう生乾きで出発させたブランドを固めるとこに勇気がなくて諦めてた感じ。
でも今回やりたかったのは、シンプルな理由でいうと、そんなんで断った経緯あってんけど、会社に生野の人来た時、「どこで買えますのん?」て言われた時に「あそこ」って言える場所があったほうがええかな思ってて。
会社の近くでサッと買える場所があったら優しいかなて。
あと、なんかの縁で生野区に来てくれた人らが、さっと買える場所があったほうがええかなぁって位の感覚。




 高本
なんせうちの会社に訪ねてきてくれた人がさっと買える場所があったほうがええなって。
本当は、実は、あの巽公園※側の
駐車場あるやん。
あそこに店開こうと思ってん。
会えるカスタマーセンターみたいな、そこで試履きが出来て、
アルトリブロ※で買えるみたいな事がしたかってん。
単純にお客さんが買いやすい状況を作りたい。
ぐらいのもんです。

※巽公園:通称ロート公園。弊社の目の前にある公園。
※アルトリブロ:弊社EC直営店舗。楽天を始めヤフーなどにも出店している。




大原 
社長は生野区ってどんな町だなぁって思われますか?


 高本
都会の人とか、小さい村とか、
評判悪なったら隠すやん?
生野の人はそれをしないねん、全開。
俺は、この町って大っ嫌いやった。
なんでか言うたら、昔はヤンキーが多い、怖い。
中学なんか3年間ほんまに学校行きたくないほど怖かったもん。
『早くこの町抜け出したい』ってひたすら思って北畠※にある住吉高校いった。

※北畠:阿倍野区。生野区と近い。生野より南に位置する。




 高本
で、高校行ったら、すごい環境良くてもう空気がちゃうねん。
みんなキレイねん。
なんか服装とかも清楚やし、女の子も男の子も、ヤンキーなんかおらへんし。
そこでそういう<自由な世界>って『楽しくてええなー』て。
自分で決めれて勉強すんのも自由やし、先生に強制されるわけでもないし。
そのかわり自由って恐ろしいって
分かった。
人って自由もらうとなんもせーへんなったりする場合もあるって。
その後、東京行って、
神戸で修行を3年して生野に戻って来た時に、生野区の職場さんとかメーカーさんの志の低さにびっくりしてん。



↑修行時代の高本


 高本
これから大変な時代が来るって事を予想出来ずに、「このままでええやん」とか「変われへんやん」みたいな。
これから仕事無くなっていく、作るもの無くなっていく時に、そういうことに対する危機感を持って無い事に唖然とした。
このあんまりやる気を感じひん町、それに魅力を感じひんかったから、『もっと違う世界で飯食いたい、仕事したい』って思ってた。
俺ほんまに生野区の印象って良くなかった。
過去形な。
んで「今はどうですか?」って言うと、『今は大好きです』って。
実際靴作りの技術が高いわけではないし職人さんの志も高いわけでは決してなかったんやけど、そういうのが高い町に生まれんで良かったなっていうのが自分の解釈で。
もし技術の高い町に生まれたら、" リゲッタカヌー "とか考えてない。
『この町(生野)の技術、強みを活かしてデザインしよう』って決めたから、ああいう形になったっていうのも
本音。
大阪の西成とか東京の浅草ってな、革の靴作ってる技術すごいんよ。
もうきめ細やかなミシンも縫えれば、組み立ても凄い上手やし、
綺麗なん作れんねん。
けどそういう世界に俺が生まれてたら、その技術に酔ってたんちゃうかな。
『おいらのがほんまもんの靴や』みたいな。
どっかで俺、『生野区で偽物の靴作ってる』って感覚が深かってん。

ていうのはケミカルシューズって合皮の靴やん、革の偽物やねん。
自分が偽物作んねやっていうのがすごく、嫌で。




 高本
きっと、生野区の人ら(職人)の中にも「わしらなんかどうせ」とか、「神戸に勝たれへん、西成に勝たれへん」つていうのもあったり根づいてるのかもと俺は感じたから、『じゃあ知識ある人がそういう安物とか作ったらどうなんねんやろ』みたいなチャレンジする場所がここにあんねん。
『<安い材料>とか、<高くない技術>を活かして出来る事はなんやろう』みたいなことやってたら、" リゲッタカヌー "とか" リゲッタ "が生まれたから、そういう意味でも『自分の居場所がこの町にあったなぁ』みたいな感じがあるので感謝してる。
だから今はこの町大好きよ。




 高本
それに今、
「やっぱり今のままだとアカンよね」って思う人が区役所とか民間の人の中にいっぱい現れてて。
『実はそう考えてはる人は近くにおってんやな』って。
昔はそういう人らがおるのに気づかんと、狭い世界で自分はもがいてたなぁっていうのが分かった。
だから、自分がやりたいことやりながら、それでこの町が元気になってくれたらええなって思ってる。
うんそれぐらいな感じです。
ちょっと真面目に答えすぎたな(笑)。


大原 
大丈夫です (笑)。




山崎 
今回の物件の場所を決められた
きっかけというか理由っていうのは?




 高本
これな、第二回中期経営計画(以下:中計)で『リゲッタ生野本店を開きたい』みたいな話した時に、銀行さんが「このビルどうですか、この土地空いてますよ」って持ってくんねん。
んで大体融資高いのを持ってくんねんけど、
N銀行の担当者さんが何を思ったんか賃貸の物件持ってきはってん(笑)。
笑ってもうて。
『どこの銀行員の営業が融資にもなんにもなれへん賃貸の物件を持ってくんねん』て。
でもそういうのに惚れた。
めちゃくちゃ安い賃貸で、あんな広いやつを、中計終わった3日後ぐらいに紹介してくれたんちゃうかな。
うん、感動した。
それって自分らの会社の欲だけじゃなくて、あの中計見て、なんかお手伝いしたいとかほんまに思ってくれたんちゃうかな。
だから『もうそこやな』ってなったていうのが最初のひとつ。




 高本
で、内観を見た時『これめっちゃありやん!』て思ってしまって。
生野区にある木村工務店さんの内装が、三角屋根で天井高くて柱とか木で出来とって、昔の懐かしい工場って感じで、
間接照明付けてちょっとオシャレにしてんねん。

↑木村工務店 加工場

俺はそのあったかーい感じがたまらんかって、それを(この賃貸物件に)持ってこれるって思った。
んで何が見したいかっていうと、生野区に住んではる人が〔生野本店〕を訪れたら、昔のおじいちゃんの家来たみたいな雰囲気になってもらえるし、地方から来た人からしたら
「うわ、生野区って感じ!」みたいな。
内装を上手にしたら昔と今を複合できるんちゃうかなみたいな。
昔と今が両方ちゃんと混在してるってええなぁっていう気がしたんで、あの店やったら、場所やったらそれが出来そうな感じがした。
だからあそこがええな、悪くないんちゃうかなぁて、うん。
駅近いしな!
惚れた理由それかな。




中河 
今回〔生野本店〕が、木村工務店さんの工場の雰囲気でと仰ってたんですけど、具体的にどんな雰囲気のお店にされたいとかありますか?




 高本
やりたいことはね、
『会社を持ってきたい』っていうだけ。
" リゲッタカヌー "のお店っていうのはビジュアルを大事にしてるから、かっこよく、あったかくてオシャレな、ちょっとエイジのかかったウッドとか、日本的なナチュラルって言ったらええの?
アメリカンな感じの樽があるとかそういうんじゃなくて、
" リゲッタ "はもうちょっとナチュラルな感じをやりたい。
本当はカフェみたいな雰囲気を作りたいとか憧れはあんねんけど、会社見てもうたらわかるようにとりあえず手書きのもんしか俺、置いてへん。
手書きのもののライブ感ていうのがすごい好きで、なんか飛び出す感じがするっちゅーの、その人の背景とかプロセス考えてまうから、『上手やな』って一言じゃなくて、『手書きって時間かかったやろなー』とか思いが詰まってるっていう。



↑大阪本社内。いたる所に手描きの制作物が飾られている。


 高本
CGとかイラストレーターで書き過ぎたものよりも、手書きではみ出した感じとか線がぶれた感じがすごい好き。
俺が裏で木型削ってんのもさ、
あんなん3Dプリンターでなんぼでもできんねん。
でもなんか線に魅力ないねん、ちょっと凹凸あったりとか、カーブにちょっと矛盾があったりするほうが、手作り感でんねんな。
だからちょっと会社って手書きのもんとかいっぱい用意してんねんけど、絵が上手じゃなくてもええねん、好きな人が描いてたらええねん。
絵が好きな人が描いてる絵って下手でええのよ。
んでそのライブ感が好きやから<リゲッタのすべて※>とかにもそれ、詰め込んでんねんな。

※リゲッタのすべて:リゲッタ製品についての考えが書かれている本。著作は高本やすお。目次等以外は全て手描きとなっている。
要は俺がやると、『字汚くても、もうええわ、自分の書いた字やから』っていう思いがあって。
んでそういうのになってしまうねん。
ちょっと手書きやったら右に上がってるとか、なんかそんなんでもその人の癖とかが見えたりするん凄い好きで。
" リゲッタカヌー "の店はかたやオシャレにしてやっててんけど、
" リゲッタ "の店やる時は住み分けてやりたいなーみたいな。
生野の泥臭さ、ちょっと家庭的な雰囲気というか、ほんまに家族経営がそのまま出てるみたいな所も見せたいなって気持ちがあったんで。




 高本
あと2階でワークショップできへんかなって。
そこで「あ、ワークショップやってんねや、今度いつやりますか」みたいな輪が広がっていくほうが良いかな。
ワークショップやってない日はちょっとした博物館みたいにしてお客さんがうちの会社の展示物みたいなん見れたりとか。
だから1階には出来れば履物製造の機械を置いときたい。
あそこで機械動いたら、多少は「こうで、こうで」って説明出来て、お客さんが「ホ~」ってなって、また別枠でリゲッタコレクション※の時とか工場見学ツアーみたいなんも年に何回かやれるかも。

※リゲッタコレクション:通称リゲコレ。展示会シーズン’に合わせ、本社見学や職場見学等を顧客様を招待し開催している。




 高本
あと、RinCチームの木村と『リゲッタはいて、2時間、レンタルとか出来へんかなぁ』とかいう話をしてて。
基本ここから先の設計は木村と德重が、木村工務店さんと、長屋Rさんとで内装進めてて。
(木村と德重には)いつもやってる内装業者さんじゃなくて、自分らとセッションして今後一緒にものづくり出来る人らとやってくれたらなぁと言ってるんで。
俺からはこっから先は率先して進める事はないかな。
ただ『75点ぐらいの出来よりの店にしてな』って言うてる。
俺突発的に訳分らん事言うやん?


山崎中河大原
(困惑)


 高本
(笑)。
だから25点余しといてなって感じ。
急に『こたつ置く!足湯やる!』とか言うかもしらん。
『ブランコをここに置こう…』とか(笑)
(木村と德重からしたら)「あぁ~社長また言うた…」みたいな(笑)。




山崎中河大原
(笑)




 高本
変化する店やったらええなと思って。
生野区ってものづくりの会社が大阪市で一番多い。
ただ家族でやってて
2人以下か3人以下の所が多いんかな?
でもそういう人らの技術を什器で、電器のカサに使ったりとかそんなんで入れていかれへんかなとか。
ちょっとそんなん考えてるんで。
で、「この什器可愛いですね」って言ったら「これはどこどこ産の何々なんです」って説明出来ると、お客さんが生野区に興味持ってくれるかなという感じ。
そっから(その什器を作った会社に)取材とか入ると嬉しいな。
リゲッタを取材したい人が「他の会社も取材行きたい」ってなって、"取材数珠つなぎ"みたいになってくとええなとかっていうのを考えてます。




大原 
お客様にとって、
どんなお店が理想だと
お考えですか?




 高本
ゆっくり選べる!
ゆっくり選びたい人はゆっくり選べるし、ちょっと決定出来へん人は一緒に考えてくれるスタッフさんがいてるし。
ただお茶のみに来たいだけの人はお茶飲みに来てくれるだけでもいいし、涼みに来るだけでも温まりにくるだけでもええから、お客さんが自分らしい買い物できる店かな。




大原 
今度はスタッフにとって
どんなお店になると
理想ですか?




 高本
シンプルに、会社の条件で言うたら休みやすい会社やな。
働いてはる人の幸せを定義する社長はアカンと思てんねん。
「こうやったらお前ら幸せやろ?」みたいな。
社長が言うてたら絶対アカンねん。
ほんまに休みが大事な人もおれば、
お給料バリバリに欲しい人、色々おって、なんか俺がそれ決める事じゃなくて、決めるのは働いてる人らやなって思ってるんで。
自分で話し合って仕事しやすい環境作る、作れるような場所やったらそれで良いかなぁ。
数字も真面目に見ながら、ちゃんと楽しみながら売上とれる。
そんなん含めて皆で励まし合ったりとか出来る、目標ちゃんと設定できてる店やったら良いかなぁって思う。




大原 
はい、なんか…
ありがとうございます。


 高本
なんやねん!!(笑)。


山崎中河大原
(笑)




 高本
後はね、店の完成が目的では今の所無くて、75点のお店って言うたのは今の100点って来年の75点の感覚があんねん。
結構大事にしてる数字で、80点でなくて、25点位余しといた時に店が出来てから、生野区のものづくりのメンバーとか色んな人が来て、「今度、この什器作ってきますわ!」とかうちに持って来てくれたらおもろない?
「ここコレ置いたらおもろないっす?」とか、徐々に継ぎ足していってくれた方がおもろいかなぁって思うから、やりながら店舗が成長していってくれたら嬉しいなぁ。
動きのある店にしたいねん。
「前とココ変わったね」とか「絵が増えたやん!」お客さんが思うような店やったら良いなって。
とりあえず俺のお願いは伝えたから、あとは店できんの楽しみにしてる。




山崎 
リゲッタの商品のディスプレイだけじゃなく、
生野の職人さんのディスプレイにもなるっていう?


 高本
うん。
あとやりたいのんって、機械おくやん。
裁断機とかミシンとか。
その横で動画流しときたい。
本当に手作りの動画でいい。
あわよくば小っちゃい日吉さんとかが髭とか生えてて「コレハイマ、サイダンヲシテイルンダ」とか下手くそなナレーションでいい。
そんなんをやりたいかなと。




中河 
〔リゲッタ生野本店〕を
作るにあたって、
誰かに事前に相談とか
されたんでしょうか?




 高本
・・・(熟考)
してない…(小声)


山崎中河大原
(笑)


中河 
 ご家族にも?




 高本
してないわ…(笑)。
軽く言ったかもしらんけど…。
2018年11月に第二回中計をやったけど、そこには次の3年間は店舗の計画がなかったんよ。
今度の店開きたいといつ思ったんやろ…。
去年(2018年)の中計前、
10月位ちゃう?


中河 
何かきっかけが
あったんでしょうか?




 高本
最初に話したことが多いかな。
カスタマーセンターにお客さんが来るとか。
「どこで買えんの?」っていう声を聞いとったから。
すぐサッと買える場所。
お取引先のお客さんが展示会とかで
こっち来るやんか。
その後にパーッと見に行けるような店やったら良いなっていうのと。
あと、うち、合宿とか社員旅行とか多いやん、で、イベントもあるしさ。
そん時に休める店の方が
ええなぁと思ったら路面店やねん。
勿論、その休みの日に来たお客さんが怒る場合もあるわ。
でもしゃあないやん。
俺らも人間や。
(店舗スタッフも)合宿参加したいし、社員旅行もっていうと、それやったら胸張って休める方が良いよな、お店としてっていう。
って思ったんで、路面店広げたいな。




 高本
それに、自分らで集客する方法とか考えるんやったら路面店の方が面白いんちゃうん?
誰かの作ったインフラに入るんじゃなくて。
誰かが作ったインフラに入って手数料取られんねんやったら、自分らで自由にやったほうがええかなぁっていう感覚はどっかに。
俺はあれこれ言われんの嫌なタイプやねん。
なんの質問やったっけ(笑)。
「してない」で終われば良かったんや(笑)。




全体企画、編集、撮影:真田 貴仁
全体構成、インタビュアー、編集:中河 有紀子
インタビュアー、編集:大原 冬香
インタビュアー:山崎 晶紀
  • はてなブックマーク