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ミニッシュ広報部

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ハッピーライフ ハッピーシューズ 石坂真理子

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誰かが思い描いてるのに寄せるっていうのが

凄い好きなんですよ。

で「これやあ!」ってその人がゆったら

よっしゃあ」ってなるんです(笑)。





企画部 石坂真理子:

服飾関係の専門学校を卒業後2012年にシューズミニッシュへ入社。入社当初から企画部に在籍し、現在はリゲッタカヌーシリーズの型紙、商品サンプル制作等を担当している。

 



インタビュアー:広報部 真田貴仁




真 
シューズミニッシュに入るまでの経緯を教えて下さい。



 石
ちっちゃい時、小学校3年生くらいまでは母親が作ってくれた服とか着てピアノの発表会に出たりとか、家族でスキー旅行へ行く時とかに、うさぎの耳が付いたニット帽作ってくれたんですよ。
そんなんを身に着けて育ってるからか、なんか作りたいなって。

(進学した高校も)工業高校で。
特殊な勉強がしたいってなって工業高校に行かしてもらって(笑)。
工業高校行きながら友達とコスプレしながら遊んでるうちに、趣味の延長じゃないけど、ファッションの学校に行かしてほしいっていうのでファッションの専門学校に行かしてもらったっていう。

で、その専門学校の担任の先生が、うちの高本社長と同級生になるんかな?
お知り合いやったんですよ。

「卒業してなにすんのん?」って先生に言われて、「特にないから、バイトしてるとこずっとおろっかなと思ってる」って言ったら「そんなんあかん!」って言われて。
「靴メーカーやけどあたしの知ってる所あるから、あんたやったら絶対行けるから行きい」って言われて、ミニッシュを面接させてもらったっていう。



真 
その専門学校の先生にミニッシュを紹介いただいて、面接で来て。
そん時っていうのは「私は靴のブランドに就職しよ!」て思った?



 石
全然(笑)。

それまでに私、着物もすごい好きで。着物っていう存在が好きで。
着物メーカーっていうんですかね。
そこにも行ったりしたんですけど、学校の先生から「やめとき」っていわれて(笑)。

どうしようかなぁってフワフワーっとしてる最中でしたね(笑)。



真 
最初は何を?



 石
そうですね、靴づくりの練習をみっちりしてました。

っていうのも、企画部の先輩の向さんが高本社長直々の型紙を切る人 で。
その向さんの下に私が付いたんで、がっつり教え込まれたんですよ。
実際のものを見てそれをずーっと練習して。

半年から1年は、ほぼほぼ練習かな?
たまにサンプル作るの手伝わしてもらったりもしてたんで、かなり基礎力は鍛えられましたね。



真 
その時、仕事で活躍したいお気持ちとかはありましたか?



 石
いや、ないんですよ。
元々その、何かに燃えるっていうのが、私自身結構狭くて。
何かこれをやりたいとか、こんなブランド立ち上げたいとかが無く。

結構…なんでしょうね。言われた事に対して動く方が好きっていうか。
自発的に動くのが苦手なんです。



真 
なるほど、で、今は何を担当されてますか?



 石
『リゲッタカヌー』のブランドの企画担当をしてます。

企画って言っても底は半分位しか携わってないですけど。
アッパーデザインに関しては、ほぼほぼ担当させてもらって。

あと、今は私の手じゃ回りきらないサンプル数なんで、色展開決めて「これで作ってね」っていう新人の子たちに手伝ってもらうための指揮官みたいなもんをしてます。



真 
いろんな材料や資材、何を使うとかっていうのも石坂さんが決めてはる?



 石
主に私が決めさせてもらってます。見積もやってますね。

材料とかは任せて頂いている感じなんですけど、やっぱり一人で決めんの凄い不安なんで。
ある程度高本社長にお声を頂いて「こういう風にまとめたらいいんじゃないか」とか。
「俺はこの底に対してこういうイメージの商品で作り上げたいんや」っていうテーマをもらってるんですよ。

その上で「私が考えるこのテーマのデザインはこの生地です。このプライスです。」っていう感じです。



真 
こっからは2019年春夏の受注会について聞かして下さい。 テーマは何かあるんでしょうか?



 石
心機一転と言いますか。
底が全部新規なんで、継続の底のデザインっていうのが1%もないんですよ。
だから心機一転もあるし、生野でずっと作ってきてた手法をふんだんに使えたらいいなあっていう感じで。
心機一転です。

新型の底をサンダルだけで9型発表しました
品番で分けると、おおよそ40品番が新規です。

ちょっと春夏と外れてて、まだ商品自体は皆さんにお見せできてないんですけど、凄い滑りにくい寒冷地用の底と、サボ専用の底っていうのも増えたんで、それも合わせると合計で11型の新規底が生まれました。

多いです。



真 
それ、かなり時間がかかったんじゃないんですか?



 石
もうそれはもちろん。
私が底を全部作ったわけじゃなくて高本社長や福瀧部長が削ってくれたりして形になってはいるんですけど。
ずっと見てましたけど、もう、すごい時間かけてましたよ。



真 
ここに照準を合わせた理由は?



 石
やっぱり靴業界自体が落ちこんでいってしまってたんで、ここでもっかい盛り上げんとヤバいな、やらんとあかんっていう思いが企画部全体としては強くて。

やっぱり既存の底だけじゃ、店頭が変わりにくくなってきたんですよ。
特に関西県内なんかは皆持ってるから。

うちのずーっとリピートで買ってくれてるお客さんに対しても、「え、こんなん私持ってるしなあ」ていうのもあるからリピーターさんに向けたようなデザインも考えなあかん。
ていうので、お客様が誰も持ってない底を作ったら、客足も伸びるやろうしもう一回盛り上げ直してくれるんじゃないかっていう感じがありましたね。

色に関して2019年春夏商品はリゲッタカヌーらしいカラーバリエーションも多いんです。
そんなかでも、ちょっと今までと色味が違うような毛色が違うものにしようと考えましたね。

メンズも売れる色だけじゃなくて、差し色でも売れるような色ってなんかないかなあとか。

やっぱ、うん。売れるものを作らなあかんっていう感じの目線で作ってしまったかなって感じです。



真 
一番推してる物はありますか?



 石
全部推しですね(笑)。
全部好きなんで、どやろ…、
ソール別に紹介したいんですがいいですか?



真 
お願いします!



 石
このぺったんこのフラットタイプのソールは、いわば突っ掛けタイプですね。
これも可愛くて好きです(笑)。



 石
ビッグフットって呼ばれてるうちのブランドの大元になった商品のレディース底がリニューアルしたんですよ。
少しライトになって、女性のお客さんでも手に取りやすいデザインっていうのをもっかい考え直して。
定番の3本ベルトなんですけど、ライトになって女性でも履きやすい形。
これも可愛い。



 石
で、バルキーヒールってよばれてる底の厚い厚底ですね。
このタイプやったらこのデザイン凄い好きですし。
なんていってもインソールがベージュでポップやし、なによりも夏らしい。
かといって夏らしすぎず、カジュアルでナチュラルな服装にも会いやすいっていうので結構私良いと思うんです。



 石
で、この、ブロックヒールサンダル。
これに関してはこのネックの部分が2ウェイになっているっていうところが個人的にすごい好きで。
で、編み編み。落ち着いてるんですけど、履きやすい、地味過ぎないデザインっていうのが凄い可愛いなあっていうので、色目も私これ凄い可愛いなと思って。
薄―いむっちゃ可愛いと思ってるんですよ。
なんでしょう。
濃いデニムにも合わせられるし、なんやろ、ふんわりしたスカートにも合わせられるし、どんな服にでも合うなっていう色味が今年多くて好きなんです。



真 
へえ~。履いて頂く方のイメージも考えてるんですね。こんな服装に合わせてもらったらかわいいなあみたいな。



 石
ありますあります。
あとは、EVAっていう底を使った凄く軽いソールなんですが、このアッパーデザイン自体は高本社長もかんでるんですけど、底の色とアッパーの色っていうのが完全に私に任されてたんですよ(笑)。

色がちょっとストリート寄りというか、一般的にはあんま履かへんかなっていう色なんですけど。
実際履いたら馴染むし可愛いしっていうので、なんか淡い色でも可愛く履ける。

かといって、結構奇抜な色目でも履けるっていうので、私これすごい好きなんです。色使い。



真 
思いました。色味、コントラストあって考えはったんやなあと。



 石
決めんのに1日悩みました(笑)。



 石
フラットウェッジに関しても、ちょっとなんでしょうね。

大人っぽい感じで?履けるようなデザインであったりとか、色目も落ち着いたカラーリングやけど、夏だけじゃなくて、ちょっと秋口にも靴下と合わせて履いてもらえるような色目も考えたいなあっていうので、帆布生地で。
夏も履けますよ。でも秋冬でも履ける、帆布生地。



 石
どの年代にも受け入れられるんちゃうんかなって思うのが、ヒール高めの、フレアヒールっていう底なんですけど。

約7センチ位のヒールで、なんでしょう、キレイめのデザインが好き、けど、カジュアルダウンしたゆるーい服装が好きっていう人やったら、こういうデザイン。
タイトなスキニーパンツにも合わせれるし、ゆるーいバギーパンツとか、そういうのでも可愛いかなっていうので。

結構大人な女性に履いてもらえたら嬉しいなって。
っていうような感じでいっぱいあるんで、これ位にしときます(笑)。



真 
さて、チームの事をお伺いしていきます。
企画部に入って、7年目。 石坂さんの先輩である向さんとは、良い先輩後輩風に見えてるんですが?



 石
そうですね。ちょっと前までは私、ちゃんと一歩引いてたんですよ。
けど最近なんかもう遠慮なくなってきて(笑)。
向さんに「もう石坂さんはな、もうあたしと同じやねん」みたいなこと言われたんで。 なんか同じ位に見てくれてんのかなっていう。



真 
先輩方がいて、そして石坂さんがいて、他の方合わせて合計8名が在籍される部としてチーム形成がだんだんされてきてるのかなと思うんですけど。



 石
そうですね。まとまってないんだけど皆意見をちゃんと言って、揉めることなく次に向かえる、もうほぼほぼそんな感じですけど(笑)。

変な言い方したら、家族みたいな感じになってるんですよ。

会社の人やからっていうので一歩引いて変に遠慮しない。
皆言いたいことブワーって好き勝手言う。
傍から見たら「えっケンカしてるんかな?」て思うと思うんですよ。正直に言いすぎてて。

もちろん、それでぶつかったっていう瞬間もあるんです。
ただ、話が終わったら普通に戻って後を引かないですね。



真 
休日に関西サイクルスポーツセンター行くんでしょう?



 石
行った(笑)。あれはあれで理由があったんですよ。
あんま頻繁に部署で一緒にご飯っていうのはないんですけど、年に1回企画でご飯行くことはあるんですよ。
それでなんか、唐突に「むっちゃローカルやけどカオスな、関西サイクルスポーツセンター行ったらどうなるんやろう」って話になって(笑)。

現地では、みんなバラバラ(笑)。
ある程度まとまってるんですけど、だいたい2組か3組に分かれて乗って。
全員はぐれたーってなったら携帯で「ここ居てまーす」「あ、ほな行きまーす」みたいな(笑)。
しかも現場直行直帰、終わったら帰ります。
「おつかれさーん」みたいな(笑)。



真 
おもしろいなあ(笑)。



真 
ちなみに石坂さんは普段休日はどんなことをされてるんですか?



 石
休日は何もしないか、唐突に旅行にでかける。



真 
唐突に?



 石
もう沖縄に一人で唐突に行って、ダイビング。
免許はないんで、初心者コースに行ったりとか。

他には唐突に福井県に猫寺って呼ばれてる所へ行って。猫がいっぱいなんです。
元々捨てられた1匹の猫から始まって、そこから繁殖したりとか。
で、住職の人が皆飼ってくれてるんですけど、そこの猫って人見知りしないんですよね。
境内入るじゃないですか。ベンチあって座るんですけど、もうなんかもう猫が全部来る。 も~~~、(幸せで)死にたいと思った(笑)。

そんな感じで唐突に。
そんな遠出はしないですけど近場とかに猫を求めてどっか行きますね。



真 
一つ気になってるんですけど、ヘアーカットってどのくらいの割合でいかれてるんですか?



 石
3か月か4か月に1回くらい。



真 
それというのも、ヘアスタイルやヘアカラーをどんどん変えていってますよね。

僕が初めてお会いした時は金で。紫なったりグレーなったり。急に2ブロックにされたりするじゃないですか?



 石
そうですね。もともと小学生のころは胸下まであったんですよ。

で、そっから短くなってって、高校で一時期すごいウルフにしてて、襟足だけむっちゃながいのやってたんです。

で、そこから専門学校はがっつりモード。常におかっぱやったんですよ。

で、年々夏の温度が熱なっていってたじゃないですか。 それが嫌になって2ブロックにして、ベリーショートにして。

ショートが楽ってなって今はショートです。



真 
今はアシンメトリーですやん。



 石
あ、そっかこれアシンメトリーなんか(笑)。
ですね。これは、私オーダーしてないんですよ。

「とりあえず楽にしたい」と。
内側刈っといてっていうのは言うんですけど。
私行きつけの美容室ないんですよ。



真 
カット担当はいつも同じ人じゃないんですか?



 石
ないですないです(笑)。
なんかね、唐突にそこまで行くのがめんどくさなるんですよ。
決めたとこだと。

で、そっからどんどん家に近くなっていって。
3~4か月前に家から5分の所に美容室見つけたんで、そこに行ってこうなった。

そっから3か月経ったんですけど、そこに行くのもめんどくさなって。
自分でバリカン買って刈りました(笑)。



真 
とうとう自分でいきましたか(笑)。



 石
いきました。大変でした(笑)。



真 
リゲッタカヌーの企画担当ということですが、デザインの部分で言うと、どんな時に思いつくんですか?



 石
よぉ聞かれるんですけどねえ…。あんまないんですよね。

「こんなデザインが市場に出てる」とかを、うちらしく落とし込んだらどうなるかなとか。

私自身デザイナーではないので、無い形を作るっていうのはなかなかし辛い部分があるんですけど。
「今あるものをうちらしくデザインし直したらどうだろう」っていうような、アレンジ的なっていったらいいんですかね。なんともいえない感じ。



真 
アレンジして自分らしさやったり、うちのブランドやったらみたいな想像?



 石
そうですね。
部分的には社長の「これやりたい」っていう意思とご意見もあるんでそれを聞いて。

実際に靴の型紙を切る時に、「ここもうちょっとこうしたほうがキレイになるんじゃないか」とか、ちょっと手を加えさしてもらうと。そんな感じです。



真 
デザインって凝ると、何時までも凝れるじゃないですか。 石坂さんはどこで終えようと思うもんなんですか?



 石
デザインだけで行くと、うーーーん。なんやろ…。
感覚なんですよね、私のなかでは。
もう「これでなんかすっきりして終わったな。」っていう。
うちのブランドの底自体、ごちゃごちゃしたアッパーデザインが乗るとケンカしてしまうんで。

やっぱりどっかスッキリさせたいっていうのがあるから「あ、ここでスッキリしたわ」って思えるとこで終わる。

あとはもう細かいライン調整や、どうやったら足がキレイに見えるかとか、足痛くなれへんかなっていう部分に入るんですかね。



真 
会社なんで、自分が思うものとやっぱり買って頂けるものとって違いもでてくるんじゃないかなって思うんですけど、そういう葛藤なんかもあるんですか?



 石
もちろんあります。
「私はこの色むっちゃ好き」っていうような色は、市場では売れない色(笑)。
「けど、バリエーションとして入れたい。」
「けど色数多いしどうしよう、どの色落そう」とか。
で、売れる色だけで固めたら地味過ぎるけど、これ入れたら「う~ん、どうなんやろう」とか。

デザインもこのライン凄い可愛いと思うねんって思ってイラスト描くじゃないですか。
実際それ型紙におこしたら「え、なにこれ…(笑)」って。
全然違うものに。

デザインをする上で、ちゃんとお客様のイメージがあるんです、一応。
ただ、私のイメージと実際はうまいこと合えへん事も勿論あるんですけど。
それはもう、申し訳ないんですけど、勉強さしてもらって次に繋げるっていう感じですね。



真 
色の選定ってどうされてるんですか?



 石
色決める時は、初めから3色に絞って決めて作ってる訳じゃないんです。
5~7色作って、並べて、やっと色の選定ができる。

その色の選定で間違えたら売れない商品になってしまうっていうので、社内の人間であったりとか、全然関係ない友達に聞いたりとか(笑)。
「こんな色の組み合わせどう思う?」「いやないわそれー(笑)」とか言われたり。

そんなんで決めてますね。



真 
なるほど。デザインで一番大切になさってる事はあります?



 石
リゲッタカヌーって、店舗ありきのブランドなんです。
そう考えたら(1つの製品が)ひとりぼっちにならないデザインを考える…。
棚に置いた時に、1つだけ浮いてる。
1つしか、存在してないデザインってなるとどうしても棚がキレイに埋められないって思ってしまうんです。

なので1つの棚に対して、2~3品番、兄弟のデザインを設けてあげるっていうのは絶対思ってますね。
それは外せないかな?



真 
お店のディスプレイもイメージされて?



 石
そうですね。
お店に入って来た時に浮いて見えないように。
お店と馴染んで、尚且つ新しさもちゃんとあるような。

けどひとりぼっちになったらそのお店から浮いてしまう。
ってなるのでお客さんが違和感を抱くものは作らんようには。



真 
石坂さんから見て、デザインをするのに大事なことっていうのは何だと思いますか?



 石
デザインするせえへんにしても向上心は絶対いるかなぁっていう。
向上心と探求心?

あの、新しい事にチャレンジは必要かなと思うんですよね。
同じ技術面だったら昔からある技術も大事だけど「けどこういうこともしたい」「こっから新しいこういう手法できないだろうか」とか。
絶対それも必要かなと思いますね。

だから、向上心かなぁ。一番は。
同じやったらなんも変わらないですからね。



真 
変えていかないと、変わって行かないといけない?



 石
自分自身も変わらんと駄目ですし。
自分自身だけ変わっても周りが変わってくれへんかったらそれで終わりなんで、周りも変えられるようなったら。



真 
例えばプライべーとでね、ちょっと遊びに行ったりするついでにやっぱりちょっと靴屋行くなぁとかあるんですか?



 石
あります、あります。
値段だったり、なんとなく頭んなかではじいて、作り見て「あ、こんな値段でいけるんや」みたいなんとかはありますね(笑)。



真 
やっぱり特有の職業病でらっしゃいますよね。
好きなデザイナークリエイターなんかはいらっしゃるんですか?



 石
その時々によるんですけど。

私「この人の全てが好き」とかなくて。
このシーズンのこのブランドが好きとかはあるんです。
造形だけでいったら、ティエリー・ミュグレー。
ミュグレーが凄い好きで。
あとはアレキサンダーマックイーンとか。
服で行ったらそっちですね。ちょっと奇抜なのが好き。

でもディオールのミュグレーが好きでなくて、ディオールのあの商品だけが好きとか。
あんまこの人が凄い好きとかないんですよね。



真 
アイテム・グッズを収集してはるとか?



 石
ではないですね。見るのは凄い好き。

「あの人こんなん選びはったん、こんなんデザインしはったん」て見てるだけが凄い好き。

だから、全てにおいて私、中心に入って何かをしたいってわけじゃなくて、ちょっと見ときたいって感じなんですよね。



真 
石坂さんがお仕事してる姿を見てると、凄い集中力あるなぁと思って。
それこそ向上心も探求心も高いので、すごいスキル高い方なんやろなと見てるんですけど、その技術的なものってここで身に付けていく事が多いんですか?



 石
多いです多いです。
むしろ専門学校卒業してミニッシュに入って何か技術が役に立ったかっていったら、もうほんまちょっと…1%もない(笑)。



真 
現場で覚えていかれた?



 石
そうです。
まあ、言って専門学校で習う靴って、なんていうんでしょう、職人系なんですよ。
革で作るとか一個一個くぎ打ってとかそんなんなんで、大量生産に向かない。
うちの会社ってケミカルで、しかも大量生産向け。
てなったら全然やり方違うんで、なにも…。もうゼロです。ほぼほぼ。

で、何年か経って型紙をかなり取るようになってきて。
ここの修正どやったらうまいこといくんやろ、このラインどやったら出せるんやろっていう時に、専門学校時代に感覚で覚えさせられた型紙を切るっていうのが、凄い役に立つんですよ。

こういうライン出したい、たとえば皺の寄ったデザインも、どうやったら上手いことふんわりいくやろうとか、このタックどうやって寄せようってなった時に、ちょっとだけ服の知識が役に立ったりするんです。

で、それは多分社長から言わしたら靴業界にない発想なんで。
「それは新しいね、やってみたら」っていうのを言ってもらったりとかはしてました。
っていうので1%ぐらい役に立ったかな、専門学校は(笑)。



真 
手塚コラボのデザインは何か担当されたんですか?



 石
担当したのはブラック・ジャック※と、ヒョウタンツギのシューズ※をやってます。
楽しかったなぁ。むっちゃ楽しかったですね!!
ブラック・ジャックモデルシューズ
ヒョウタンツギモデルシューズ



真 
楽しかった?



 石
楽しかった(笑)。
なんでしょう。高本社長が思い描いてるものに近づけるっていう…。

で「これやあ!」ってその人がゆったら「よっしゃあ」ってなるんです(笑)。
今回素材選びとかも、社長が悩むんですよね。
で、社長は「イメージはこれこれこれ。この中から選びたいね」って言うので。
ゴムとかもいっぱい種類があったり、紐にしてもいっぱい種類があったり。
「私これとこれが全体的にマッチすると思うんです。」って言ったときに「ほなそうしよ~」って言ってくれたりとか。
「あ、やったあ」って思いました(笑)。

いっぱいある素材の中から「いや、これが合うと思う。」っていう意見を言って、それがオッケー出るっていうのが凄い嬉しい。



真 
それは面白いですね。



真 
会社も人数が増えてきましたが、どういう風になっていったら面白くなると思いますか?



 石
うーーーん。どうなったら面白くなる…。

もし仮に、他の部署が企画部みたいに意見むっちゃ言う会社やったら…ってたまに思うんですよ。
どうなるんかな、面白くなるんかなって思ったりはします。
多分めっちゃカオスな会社になると思うんですけど。色んな意味でね。良くも悪くも。

そしてうちの会社で、製造全般が全部会社で一気に作れたらいいなぁっていう。
それこそハイテクシューズであったりとか、一般的に作られてる靴の製法って言ったら良いんですかね。

そうなったら絶対、会社として、工場の運営するってなると絶対皆の向上心も必要やし、新しい技術っていうのも皆で考えなあかんしっていうので、かなり頭使って面白いと思うんですよ。

だから、今まで通りの部分は職人さんたちにお願いして、新しい部分は自社でやって、っていうようなスタイルが出来たらむちゃむちゃ面白いんちゃうかなって。

会社としてそういうのができたら、多分もっと凄い幅の広い会社になるというか、新しいこと見つけれるんちゃうかなあっていう。



真 
確かにそれは面白い(笑)。
最後です。これを読んでくださっている方々の中に、リゲッタシリーズを買ってくださっているお客さんも多いと思うんです。そういうお客様に向けて一言頂けますか。



 石
そうですね。
色んなタイプの足入れのものだったりとか、デザインを今後作って行こうと思うんで、色んなタイプのお客様に履いてもらえる商品を作って行きたいなと思います。



真 
以上です。
ありがとうございました。



 石
ありがとうございました。



今回の取材で2人が履いている商品

石坂着用モデル:CJFC7019(2019年発売予定)

真田着用モデル:CJTR5413

 

全体企画・構成・インタビュアー:真田 貴仁

ライター・カメラマン:中河 有紀子

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