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ミニッシュ広報部

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大阪市東生野中学校 宮村先生 が社会体験研修した内容を記事にしてみた!

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今回は東生野中学校の宮村佳世先生が社会体験研修に来られたので、弊社の社内外を見て頂き、記事を作成頂いたのでその模様を紹介していきます。



『はじめまして、宮村佳世です。』
普段、東生野中学校で勤務している私は、今回、ご縁があって8月1日~2日の2日間、社会体験研修でリゲッタ(シューズミニッシュ社)さんにお世話になりました。
研修の前にご挨拶に伺ったとき、どのようなしくみで、1つの商品がお客さんの手元に届くのだろう…中学校で働く1日と、ものづくりに携わる1日ってどんなに違うのだろう…と、まだ見ぬ世界にワクワクしていました。


1日目の全体朝礼では、高本社長の『納得のいく挑戦をしよう』というスタッフへの言葉が印象的でした。
「仲間全員の力が必要だ。」「皆で歩きぬこう」と前に出てお話しておられる方々が、ご自分の思いを、ストレートに表現しておられて、情熱に溢れる会社だということを実感しました。


【楽しく歩く人をふやす】これを理念に掲げて、熱意とこだわりが詰まった履物をつくっていく。
その履物を広めるためにお仕事をなさっている広報部に2日間所属させていただき、私が「スゲー!!」と思ったことを取材しました。



■スゲーポイント①
『えっ!サンダルが踊ってる?!』
実は私、この研修の前に、リゲッタの商品を扱う直営店であるリゲッタカヌー南船場店に伺って試し履きをしました。
で、履いてみるとあまりの履きやすさに「スゲ-!」と感激し、サンダルを1足購入していました。



南船場店は、青や黄色を基調とした店内。
明るくて入りやすい印象。
そして今回、リゲッタ商品の履き心地と、コロンとした形が好きとおっしゃっていた原田店長にお話しを伺いました。




お店の雰囲気づくりについて尋ねると、

(原田)「本社の展示会で、木目調やナチュラルな雰囲気を大事にされているのを見てきました。リゲッタカヌーの世界観を表現できるように、店舗でも同じように心がけています。店内は可愛く、商品は手にとりやすくしたいですね。」

とのこと。

(原田)「ポップも、手描きにすることによって、あたたかみが伝わりやすいと思います。写真を切り合わせて貼るなどして、手作り感をだせるように、スタッフとも協力しながら作成しています。」

と、こだわりを聞かせてくださいました。

↑店内の壁から飛び出している、
棒の上に商品を置いてあるのも素敵でした。


次にこのレイアウトについてお聞きしました。

(原田)「この置き方は、靴が泳いでいるみたいとご好評をいただいています。商品の置き方によって、季節感を出せるようにも工夫したいです。」

初めてお店を訪れたとき、私はサンダルが踊っているようだなぁと感じました。
確かに、水の上を泳いでいるようにも見えます。
どの商品を、どの場所に置くのかということで、見え方がガラリと変わるということもよくわかりました。


最後に、お客さんと接するときに大切にしていることは、

(原田)「サンダルの履き方や靴のサイズ合わせです。つま先が上がっているつくりになっているのもあって、正しく履いていただかないと、お客様の足に負担をかけてしまうので、納得がいくまでお話させてもらっています。足にお悩みを持っておられるお客様が多いので、おひとりおひとりに合う靴を一緒に選ぶことを大切にしています。」

と、お答えくださいました。

↑接客の合間をぬって、
お答えくださった原田店長





■スゲーポイント②
『まさかのリレー作業!』
では、店舗に並ぶ商品がどんなルートを通って作られているのかというと、実に約55段階もの工程を経て、作られているのだそうです。本社のある、生野区で職人さんとリレー方式でつくりあげているとお聞きして二つ目の「スゲ-!」です。

本社近くにあるシューズ・スコッチさんで、商品ができあがっていく様子の一部を見せていただきました。


↑絶妙な力加減で仕事を進めていく職人さんたち。
まさに、職人技です。


↑機械を触らせてもらって、少し緊張・・・


簡単そうに作業しておられますが、細かい調整が欠かせません。
機械のバランスを整えるのも、職人さんの腕です。

7年前から、一緒に靴づくりをされているシューズ・スコッチの大滝社長。



リゲッタさんとお仕事するようになったきっかけは、神戸のとある展示会で知り合ったことだそうです。

(大滝)「当時、仕事のことで相談をしたら、『もちろん、一緒にやりましょう!』と言ってくださって、涙が出るくらい嬉しかった。」

と、思い出を語ってくださいました。

(大滝)「初めて扱ったリゲッタ商品は、R-35というものでした。細かいこだわりに、機械の調整をするのに、苦戦したのを覚えています。始めは難しくて、たくさん失敗してしまった苦い思い出もあるのですが・・・職人さんたちの力も借りながら、今ではできるようになっているので、自分自身も含めて成長を感じています。」

ものづくりをする上で大事にしているところは、「良いものを広げるために、どれだけの思いを持ってやれるか。」だとおっしゃっていました。

(大滝)「作り手も笑顔で、やりがいをもって仕事ができているか、気をつけています。仕事に関わる人たちの潜在能力を引き出せるような環境をつくっていきたい。リゲッタの高本社長は人前にいるときに、すごく楽しそうで、余裕をもって仕事をしておられるところがすごいなぁと思います。」




(大滝)「生野区には、色々なルーツを持った人たちが仕事をするために、苦しい状況の中で身につけていった技術があります。苦労した分、ハングリー精神はまだまだ健在です!」

と言う大滝社長。
終始やさしい笑顔で、力強く、熱い思いを語ってくださいました。
中学校で働く私にとっても、人と接するときに相手を笑顔にすることは、大切にしたいこと。
その反面、すごく難しいことでもあります。
お話を聞いて、ものづくりの難しさやつながりの深さを感じることができました。


■スゲーポイント③
『R-35ってやさしさがスゲー!』
大滝社長のお話に出て来た『R-35の履き心地』は、「スゲ-!」でした。
何といっても、アウトソールの弾力と、かかと全体を支えてくれるインソールが、パンプスとは思えないほど足にやさしかったのです。

↑ R-35(手前)と高本社長のお話にでてくるR-241(後ろ)
手書きの絵で、リゲッタの歴史を説明してくださいました。


宮村
昨日、試着させていただいたR-35の5cmヒールのもの、サンダルとはまた違った履きやすさに感激したのですが・・・R-35が生まれたきっかけは?


高本
(リゲッタ商品の年表を紙に書きながら)
2005年1月にスタートした、第一弾・第二弾はオフィスで履いてもらうような形のサンダルでした。
それからリゲッタのシリーズを発売したんですが、当時からまったくコンセプトは変わりません。
まず、これがヒットし、新たな一足を作ろうと、中国に仕事を委託したりルームシューズを作ったりと、試行錯誤しながら企画を進めていました。

2009年に販売したバレエシューズが、大手通販雑誌で大ヒットし、ここからテレビの仕事にもつながったんですね。
カタログ誌面からテレビというのは珍しいパターンなのですが、「高本さん頑張ってるから」という理由で社内紹介してくれました。
このとき、7cmヒールのR-241が取り上げられるようになりました。
7cmのヒールというのはすごく綺麗で、当時は、これほど美脚効果もあり手頃な価格の商品はなかったと思います。





もちろんこれよりも履きやすい履物はたくさんあったのですが、この形状でこの履き心地というのが新鮮だったようです。
細かいところまで全力投球で、命がけでやって生まれた商品だということを覚えていますね・・・。

そこで、もう少し上の年代の人も履きやすいように、5cmヒールのものを出してはどうかということになって、考えられたのが、R-35でした。
なので、R-241とR-35は対ですね。
比較的肩の力を抜いて作った形だからこそ、ヒットしたのかもしれません。





新しい商品のアイデアはどんなふうに生み出されているのでしょう?



ドイツの商品を参考に、かつインソールが分厚くならないように工夫してできたのが、ルーペインソールというものでした。
かかと部分に穴をあけるというのが、靴業界にあまりなかったようですね。

↑ルーペインソール
このインソールを入れる事で、
リゲッタシリーズの履き心地を
ご体感頂くことが出来る製品



ただ、新たな試みでもあったために、インソールが取れてしまったり、靴自体の耐久性が弱かったりして、うまくいかず、僕自身ショックを受けたこともありました・・・。
そういう経験もあって、思い入れの強い商品ですね。

R-241からR-35を作るにあたって、細かい仕様変更はありました。
より履き心地がよくなるように、スポンジを入れるとか地面に触れる面積を大きくするとか・・・。
自分自身の成長を感じた改良でもありましたね。





「ここをこうしてみよう」というのは、どの段階でお気づきになるんですか?



会社のデスクに座っているときに思い浮かぶことは少ないですね。
家に帰って、家族でご飯を食べた後、食卓に商品を置いて見ているようなときに、浮かびますね。
そんなときは、「明日朝、早く会社にいきたい!」と思います。





アウトソールは、ほぼ社長自らが削っておられるとうかがいましたが・・・



元々あるデザインのサンダル版をお願いすることもありますが、最初の一つは自分で作るって決めています。
おおまかな形を決めて、最後の調整を社員に任せることもあります。
そんなときに、企画部のこだわりを入れてくることもあって、「クソぅ、やられた」と思うこともありますね(笑)。

僕が作るアウトソールを待つばかりでなく、「自分たちでオリジナルのものをつくってみなさい」と言うことも最近ではあります。
職場さんに仕事が行きわたることもあるだろうし、注文をもらえる確率も増えるからと。
リーダーの指示がないと動けない組織はアカンようになると思うので。
やることが決まっていて、みんなで動き回る方が絶対に面白いから。





ハナオがついた、下駄の形をした商品はどのようなコンセプトでつくっておられるのですか?


↑未来のゲタ



テレビで紹介してもらうときに目を引くのではないかと、企画しました。
自分のポリシーでは、難しいと思うアイデアもありますが、そんな商品もあってもええかなと思うようになりましたね。
「好きに履ける」ものをつくってみようかと思うようになりました。






他のブランドさんの商品を研究しておられるとうかがいましたが、どのような部分を見ておられるのでしょう?素材ですか?



製法を見ることもありますし、「底に何が使われているんだろう?」ということを見るときもありますね。
はがしたらクッションが入っていたり、糸の止め方が工夫されていたりして、面白いです。



これから、どんな商品をつくっていきたいですか?





リゲッタというものを、世界で売れるコンテンツにしたい。ナイキやアディダスは全世界の人が知っているから、その入り口に立ちたいというのがありますね。

ディスプレイのときにこういう置き方にしたいなぁとか、10~20歳までにやりたかったことをやっている感じですかね。
人前に商品がでたときは、気持ちいいやろうなぁという思いがありました。
出来る範囲で、好きなことをやってみたいという時期に差し掛かっているのかもしれません。

全部が全部好きなようには無理なので、そこでもがいている感じですかね。
やりたいことはまだまだありますが。





一ファンとして、次にどんなものを提示されるのかワクワクします。
生野区という地域で活動していることに理由はありますか?
どんなふうにとらえておられるのかなと。



生野区が好きではなかった時期もありました。
ただ、「日本製にこだわってものづくりをしたい」という父の思いもあり、ちょうどその時期に生野区の職人さんに「仕事をたくさんつくって村おこしをしてほしい」というお声掛けをもらいました。
それ以降、自分でやりたいことが人の役に立っているんだなと思うようになりましたね。

自分がやりたいこと・会社がやりたいことをやった結果、生野区の役に立っているという形を作っておきたいです。
失敗を恐れずに、新しいことにチャレンジして、失敗したら爆笑して、どんどん面白い地域になっていってほしいですよね。

僕が生野区で育ったからこそ、この街の環境に感謝しています。
今では生野の街が愛おしいと思えるようになりました。





中学校でもそれぞれの持つルーツや考え方について、生徒と考えることがあります。
それと今のお話とが繋がっている気がしました。



社会とは、「見えている世界の広さ」という表現をよく使います。
会社から飛び出して、日本から飛び出して、自分の見える世界を広げることが、自分の社会を広げることなのかなと思っています。
それも含めて、生野区がスタート地点だったことは面白いかなと。

僕らがちょっと良くして、また次の世代に渡すみたいなことをしていくのがええんちゃうかなぁと思いますね。外部から来た人がどう思うかはわからへんけど、生野区に人が増えたらいいですね。





私は、生徒たちの社会を広げるお手伝いができたらいいなと思いますね。



会社には生野にルーツが無い人も多いけど、生野区でこんなことやりましょう!って言ってくれる人がだんだん増えてきているので、嬉しいなぁと思います。
「こんなんやってもいいですか」っていう提案がめっちゃ嬉しいです。
結果はやってみなわからへんし。

作り手だけではなくて、色んな人の人生がかかって仕事をしているというところを見てほしかったので、研修では、宮村さんに広報にはいってもらったんですよ。



なるほど、そうだったんですね。
色々考えて頂き有難うございました。
以上で取材は終了とさせていただきます。



ありがとうございました!(笑)







『取材を終えて…』

リゲッタで働いておられた皆さんが、商品やお客さん・関わっている周りの人、そしてこれからリゲッタを知るであろう世界中に目を向けておられることを、肌で感じることができた2日間でした。

研修を受け入れてくださった高本社長。
本社の案内や業務について教えてくださるだけでなく、リゲッタに関するあらゆる場所を実際に見せてくださった真田さん。
お忙しい中、何もかもわからない私にご指導くださった広報部をはじめとする社員の皆様。
突然の取材にもかかわらず、快く承諾してくださった原田店長、大滝社長。
多くの方々に感謝しています。
短い時間でしたが、知らなかった世界を知ることができて、私の「社会」が広がったように思います。
仕事の面であれ、私生活の面であれ、初めてのことに臆病にならず、納得のいく挑戦を続けます。
そして、これからもリゲッタを応援しています!ありがとうございました。


ライター:宮本佳世
編集・撮影:真田貴仁
制作:中河有紀子
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